【かわごえ里山田んぼ通信】 菅野芳秀氏の心に響く論考:小農、家族農業が絶滅の危機の瀕している。

2018年に講演いただいた菅野芳秀氏(山形県・農民・ 置賜自給圏推進機構代表理事)のFBの投稿をシェアします。
2018年の講演は「農業が時代の扉を開き、地域が日本や世界を変えていく」~いのちを語るなら、土から語ろう!!~でした。
 
生命を土から考える
食を土から考える
喰える土のために
菅野芳秀氏はレインボープランを提唱し、生命と循環型農業でまちづくりをしています
そして置賜自給圏構想で、

 
農業、食糧生産を「成長」路線から解き放ち、いまある日本型農業を守り、
土や海、森を始めとした、いのちの資源を基礎とする新しい人間社会のモデル、
農業を基礎とした循環型社会を広く築き、それをアジアに、世界に示していくことこそが日本の進むべき道。 
 
としています。
 今のコロナ禍の日本の社会のあり方や農業の進むべき示唆を与えていると思います。
以下、菅野芳秀氏の10月中旬にFBで投稿された内容をそのまま紹介します。
 
 何度か書いて来たことだが、再度振り返ってみたい。
全国の水田農業を営む農家では農業をやめるか、
規模拡大を目指すかの選択を強いられて、小農、家族農業が絶滅の危機の瀕している。
 
 日本の平均耕作面積は2020年調べで2.50hだが、それを政府は山間地で20h、
平地で30hを目指すという。
 
大規模と言われる農家とて、生産したコメの販売代金では生産費は払えず、
よって暮らして行けず、
 
国の補助金をあてにするしかない状態が続いている。
そこに高齢化した農家、小規模農家を対象に
「大規模農家に田んぼを任せろ、そうすれば離農補助金をだす」。
 
 こんな露骨な小農つぶしが続いている。
その上で誘導される大規模農業は、化学肥料と農薬にいっそう依存した農業だ。
環境や生態系に与える影響は大きい。
 
またその政策は村社会の崩壊をいっそう促進する。
大規模化では村に人が残れない。
 
煎じ詰めて言えば、食べる者、作る者、暮らす者に決して貢献しない
そのような大規模化はいったい誰のための、何のための大規模化なのか。
 
それによってもたらされるのは価格の安さだとしても、そんな安さを誰が求めているのか。
果たしてそれが、数千年の村の農の営みを破壊してまで求める事なのかと。

根本から問わなければなるまい。
 
ここまで
 
私たちも、川越市の北部の農村で、小農どころかもっと小さい農を、村と一緒に歩んでいます。
そして実践をしながら農業とは何なのかを考えさせらます。
田んぼは、お米作りやマコモ栽培だけではない、重要な人の営みを与え続けてくれます。
実践活動を通して、農のあり方、食のあり方を自分事として考えてみませんか!
 
以上は、増田(純)の個人的な見解であることをお断りしておきます